ほぼゼロ金利の状態が長く続いている昨今、預貯金以外の資産運用を始めてみたいという方も多いでしょう。初心者が比較的始めやすい資産運用の方法には、従来から馴染みのあるIPO株や株式投資などのほか、新しい投資として注目を集めているソーシャルレンディングがあります。

それぞれのメリットやリスクについて正しい知識を持っていれば、いたずらに不安を感じることはなく、たとえピンチに陥っても冷静に対処できるでしょう。

新規公開株は運頼みになる

IPO株とは新規公開株とも呼ばれ、新しく証券取引所に上場される予定の株のことです。当初の段階ではまだ上場されていないので、一般の投資家が簡単に購入することはできませんが、証券会社に口座を持っていれば、たまに購入権を入手できることがあります。

このような株を手に入れて、上場されてから売るのがIPO株投資の基本となります。一般に企業が株を上場するときは、売れ残りが出ることを恐れて、ほとんどの場合は本来の価値よりも安い公募価格が設定されます。そのため市場に出たときの初値は、公募価格を大幅に上回るケースが大部分です。

統計を取ってみると、ここ数年では新規公開株の8割~9割で、初値が公募価格を上回っています。しかも利益率が高いため、IPO株は何も考えずに売買するだけでも、9割程度は勝てるローリスクな投資と言うことができます。

もちろん赤字企業などで初値が低くなってしまう可能性はあるので、最低限の知識は必要です。IPO株投資の弱点は、購入権が抽選でしか手に入らないため、安定した投資としては使えないことです。

有利なことが分かっているので人気が高く、当選率はかなり低くなります。手に入れるには多くの証券会社に口座を作り、せっせと抽選に応募しつづける必要があります。抽選に落ちてもお金が減ることはないため、リスクを気にすることはありませんが、テクニックではなくクジ運に左右されるところが問題です。

投資と投機の違いを考える

株式の売買は、投資と投機の2つのパターンに分けて考えるのが妥当でしょう。本来の株式投資とは、将来有望な企業に出資して、収益の還元を受けることを意味します。

基本的には企業の成長をじっくりと見守り、長い付き合いをすることになりますから、短期間に売り買いすることはありません。またリターンもそれほど大きな金額にはならず、長期的に保有することで利益を上げるパターンです。安定性を重視して投資先を選ぶため、リスクは低くなりますが、大きな利益を上げるには少なくとも数百万円単位の資金が必要です。

また、たとえ老舗の大企業であっても、業績の悪化で株価が低迷する危険性がないとは言えません。一方の投機とは、市場価格の変動を利用して短期間で売買し、利ざやを稼ぐ方法です。売値と買値の差額が大きいほど、大きく稼げるチャンスになりますから、新興企業や経営基盤の不安定な企業が好んで投資の対象になります。

そのためリスクも非常に高く、大儲けができる可能性がある反面、大損をしてしまう恐れもあります。効率的な投機を行なうには、常に企業の最新情報を手に入れ、臨機応変に対処しなければなりません。

インサイダー情報や仕手戦など、素人には高すぎる数々のハードルも存在するため、十分な知識が求められます。経験や勘だけで売買することも不可能ではありませんが、現実には単なるギャンブルになってしまうことが多いので注意が必要です。

ソーシャルレンディングの危機管理

ソーシャルレンディングは数多くの投資家から少額ずつ資金を集めて、事業者に融資する仕組みになっています。IPO株のようにクジ運で決まるわけではなく、気に入った案件があればいつでも応募できることがメリットのひとつです。

また株式投資のように多額の資金を必要としないことも、投資家にとっては有利な特徴です。たとえば新進気鋭のソーシャルレンディングサービス『みんなのクレジット』では、一口10万円から投資を受け付けています。もちろん投資した事業が必ず成功するという保証はありませんが、ソーシャルレンディングの運営会社は事業内容について厳正な審査を行ない、不動産などの確実な担保を取った上で融資しているため、回収不能となる危険は最低限に抑えられています。

ちなみに『みんなのクレジット』で、過去に元本割れが発生したことはありません。万が一貸倒れが起きたとしても、少額ずつ分散して投資していれば、大きな損失は避けることができます。

事業単位で融資することから、ソーシャルレンディングの運用期間は比較的短く、1~36か月程度となります。そのわりに利回りは高く、『みんなのクレジット』では年1.0%~12.0%を実現しています。

短期運用でハイリターンとなると投機的なイメージがあるかもしれませんが、株の売買とは違ってリスクを避けるシステムが充実しているので、資産運用の経験が浅い方でも安心して投資できるでしょう。